到津遊園の面影を探して...
跡地の「到津の森公園」を訪れました

福岡県北九州市にある「到津いとうづの森公園」は動物園がある市営の公園として親しまれています。

そんな公園の前身が実は到津遊園(いとうづゆうえん)という遊園地だったということを知り、遊園地の面影を探しに訪れてみることにしました。

結果的には、到津遊園の面影は到津の森公園内だけでなく、遠く離れた意外な場所にも残っていたのでした!

到津遊園と到津の森公園のあゆみ

まずは到津遊園の歴史と、到津の森公園開園までの経緯を簡単にご紹介します。

到津遊園は1932年に九州電気軌道(西日本鉄道の前身)によって開園しました。1968~69年には二重観覧車、飛行塔、ジェットコースターなどが新設され、1980年には2回転宙返りスカイループコースターもオープンするなど、動物園や遊園地の施設を充実させていきました。

最盛期の入場者数は年間79万人を数えるまでになりましたが、その後レジャーの多様化により入場者数は伸び悩み、1997年度には41万人までに減少。慢性的な赤字も続いていたことから、運営者の西日本鉄道は1999年春をもって閉園する方針を1998年4月に発表しました。

しかし北九州市民を中心に閉園を惜しむ声が多くあがり、市には存続を要望する26万人分の署名が寄せられました。それを受けて市は1998年9月、到津遊園を西日本鉄道から買い取り存続させる方針を発表しました。

そして到津遊園は2000年5月31日に閉園し、翌日市に運営が引き継がれました。その後遊具の撤去や動物園の再整備が行われ、2002年4月に「到津の森公園」として開園しました。

到津遊園閉園の発表からわずか5カ月で市による存続が表明されたというから驚きです。そんな市民の方の想いがこもった到津の森公園ですが、前身の到津遊園の面影は残っているのでしょうか…?

というわけで到津の森公園にやってきました。小倉駅から4kmほど離れた丘陵地にあり、路線バスでもアクセスすることができます。

入り口は南北に2カ所あり、こちらは北ゲートの様子。入園料は大人800円です。

観覧車は到津遊園でも動いていたものだったが…

園内に入ってまず目につくのが、この観覧車。

こちらは1988年に作られた高さ40mの観覧車で、もちろん到津遊園の時代から稼働していたもの。

その後到津の森公園になっても公園のシンボルとして稼働していたのですが、点検でゴンドラの老朽化が指摘されたため、2017年1月から営業を休止しています。市は観覧車を修理するか撤去するか対応を検討中ということで、未だ再開のめどは立っていません。

「かんらんしゃはうごいていません。」の張り紙がさみしいです…。

ゴンドラは少し丸みを帯びた円筒形で、可愛らしい形です。

料金は1人300円とかなりお値打ち。いつか再開されるとうれしいです。

レトロフューチャーなデザインがカッコいい!モノレール

観覧車は残念ながら運休していましたが、実はその他にも到津遊園のものと思われる遊具が残っています。

まずご紹介するのがこちらのモノレール

レトロフューチャーなデザインで、すごくカッコいい!

さっそく乗ってみます!

料金は1人200円とこちらもリーズナブル。

乗り場はこんな雰囲気。車体のカラーリングも素敵です!

一番前の席に座ると運転手になった気分で眺めが楽しめます。

それでは出発!
モノレールは芝生広場を一周するように走ります。メリーゴーランドなどがある遊具ゾーンを通り抜けます。

動物園ゾーンも少し通るため、車窓からキリンを見ることができました。

乗車時間は2分ほど。とても楽しかったです!乗車した際の眺めは以下のような感じでした。

 

乗って楽しい子供汽車とサイクルモノレール

子供汽車サイクルモノレールもありました。

乗り場は2階建てで、1階が子供汽車乗り場、2階がサイクルモノレール乗り場となっています。

サイクルモノレール乗り場を先ほど乗ったモノレールから見ることができました。

今回は子供汽車に乗車しました。汽車の正面には「到津の森」というプレートが掲げられています。

3両のかわいい客車が連結されています。

森の中を進みながら、動物が出迎えてくれます。

踏切もありました。

モノレールとサイクルモノレールが立体交差している部分もありました。

メリーゴーランドや小さな遊具も楽しめる

メリーゴーランドもあります。

こちらものんびりした雰囲気が漂っていました。

その他にもバッテリーカーや、

小さな遊具がたくさん設置されていました。

メリーゴーランドと観覧車。こうして切り取ると、完全に遊園地の眺めですね。

ここまで遊園地っぽい部分ばかり取り上げてきましたが、公園のメインである動物園ももちろん充実しています。

再整備が行われたため展示施設も新しく、見ごたえたっぷりです。

ということで、到津の森公園には前身の到津遊園の面影が十分感じられるほどの遊具がまだ残っていました。動物園としても、遊園地としても、ぜひ訪れてみてください!

 

…と終わりたいところですが、実は到津遊園から遠く離れた意外な場所にも面影が残っていました!

こちらは到津の森公園から45kmほど離れたところにある福岡市の遊園地「かしいかえん」。そこで「お空のドライブ」というアトラクションに乗ろうと並んでいたところ…

なんと!「いとうづゆうえん」の文字が入ったチケットの半券入れが使われていました!
そしてこのトラ(?)のキャラクターは到津遊園のキャラクターなのでしょうか…?

かしいかえんは到津遊園と同じく西日本鉄道が運営しているので、到津遊園で使われていたものが運ばれてきたのかもしれません。

ということで、到津遊園の面影は到津の森公園だけでなくかしいかえんにも残っていたのでした!

 

“到津遊園の面影を探して…跡地の「到津の森公園」を訪れました” への4件のフィードバック

  1. パオ より:

    子どもの頃(昭和50年代)、到津遊園地へ家族で行ったことは私にとって大切な思い出です。
    当時、二回転ジェットコースターが出来たと聞いて、兄と二人で乗ったことを覚えています。
    アトラクションで一番好きだったのは“ビックリハウス”という、ただ座っているだけで部屋がぐるぐる回ったように見えるもの。不思議の国でした。

    • milford より:

      パオ様、コメントいただきましてありがとうございます!
      昔の写真を見るとかなり規模の大きな遊園地だったようですね。
      ビックリハウスは私も他の遊園地で体験したことがありますが、楽しいですよね!
      閉園してしまったのは残念ですが、面影を残しつつ公園として残っている到津の森公園は貴重な存在だと感じました。

  2. 散苦遊介 より:

    NHKの朝ドラを見ていたら、大正から昭和初期にかけて大人気だった「正チャンの冒険」が出てきた。そういえば到津遊園地の大きな池に丸い「正ちゃん橋」が架かっていた。頭にボンボンのついた正ちゃん帽が流行っていた。遊園地の子供ホール1階の遊技や2階の郷土玩具のコレクションは楽しかったなあ。

  3. 千里のヨッシ- より:

    幼いころ、到津遊園地は楽しい思い出がいっぱいでした。
    大分からおじいちゃんきたら必ず連れて行ってもらいました。
    そのころ、小倉日活で石原裕次郎の嵐を呼ぶ男、有楽町で逢いましょうを両親に連れて行ってもらいました。
    その後は事情で、大阪で暮らしています。今は大阪で、不動産屋をやっています。
    今でも到津遊園地での楽しかったことはは忘れられないですね。 おじいちゃんと映した写真ありますよ。
    60年ほどの昔、昔のことですけどね、今度行ってみようと思っています。

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mikko みっこ

大学の卒業論文で遊園地について書くほど遊園地が好き!珍スポット、レトロスポットも大好き!「永原さくら」という名前で、アニメソング・ゲームソングの作詞をしています。

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旅行で遊園地や街などを巡ったり、猫、片付け、ランニングが好き。