369daysのROOF TOPIC
第2回
平成の愛知の屋上

2019.8.13

369daysのROOF TOPIC

「平成の屋上」第2回は、愛知県の屋上に迫ります。平成の愛知県といえば･･･1989年の「世界デザイン博覧会」や2005年の「愛・地球博」といった華やかなイベントが開催されちゃって、名古屋駅の周りは高層ビルがにょきにょき建っちゃって（屋上とそら編集部の入っているホリエビルもね！）。車も、リニアも、飛行機も。平成の愛知県では、未来が近づいてくるのを日々感じました。

この記事はフリーペーパー『屋上とそら』Vol.36に掲載された「369daysのROOF TOPIC 第2回」の完全版です。

そんな未来に、たまには自分から近づいてみよう！とやって来たのは、県営名古屋空港の展望デッキ。
この展望デッキでは、国産初のジェット旅客機「MRJ」（現三菱スペースジェット）を間近で見ることができる！･･･かもしれないのです。
MRJの製造工場が県営名古屋空港に隣接しているため、時々試験飛行が行われています。
訪れた日も多くの航空ファンがカメラを構えていたのですが･･･残念ながらMRJは現れず。
しかし、ふと駐機場に目をやると、ゴールド・グリーン・パープルのカラフルなフジドリームエアラインズの機体が！ヘリコプター・自家用ジェット・自衛隊機も並んでいます。

こんなに色々な種類の乗り物が見られる「屋上」は、老若男女幅広く愛されているそう。
展望デッキは人工木材とウッドを使用した段差の少ない床になっているため、お子様連れの方も安心です。
展望デッキを楽しんだ後は空港ビル内のレストラン「つばさ亭」で飛行機の形にご飯が盛られたお子様カレーをどうぞ！大人の方には名古屋めしが人気。売店には名古屋土産も並んでいます。

地元の幼稚園や学校の見学受け入れを頻繁に行い、展望デッキのある3階では地元の写真クラブや高校生の作品を展示するギャラリーも開催しています。これからも地元の方に親しんでいただける展望デッキにしていきたいとのこと。
名古屋駅から直通バスを利用すれば約20分で到着できるので、名古屋観光の定番にも今後加わっていきそうですね。

最新の技術を間近に感じられる展望デッキで、地元の方も観光の方も一緒になって楽しんでいる。そうそう、私が見たかった屋上の未来ってこれでした。

近隣の「あいち航空ミュージアム」に展示されているMRJの模型。「あいち航空ミュージアム」「エアポートウォーク名古屋」にも展望デッキがあり、空港とは違った眺めを楽しむことができます。

2012年7月にリニューアルした、広々とした展望デッキ。中部国際空港が開港した2005年頃から展望デッキは閉鎖されていましたが、お客様からの要望を受けて復活！天気が良い日は御嶽山まで見えます。

名古屋空港へインタビュー

展望デッキのおすすめポイントを教えてください！

フジドリームエアラインズ（以下、FDA）の全12色のカラフルな飛行機をはじめ、ヘリコプター・自家用ジェット・自衛隊機など様々な航空機が見られるところです。
ここまで多様な機体は他の空港ではなかなか見られません。

ヘリコプターの中には、中日新聞の報道用のヘリコプターもあります。
FDAの機体は出発時に「トーイングカー」という航空機を移動させる車を使わず自走するため、自力で回転するという、航空機として珍しい姿を見ることもできます。

また、小牧山・小牧城といった周辺の観光地に加え、天気が良い日は御嶽山まで見渡すことができます。

展望デッキは暗くなってから閉鎖時間の18時45分まで、間接照明がついて昼間とは違った雰囲気になります。
短い時間ですが、違った雰囲気の展望デッキもお楽しみください。

展望デッキ以外の、空港ビル内のおすすめポイントを教えてください！

地元の方と連携したイベントをビル内で開催しています。
毎月一回、お昼の12時から名古屋芸術大学と連携してミニコンサートを開催しています。
更に、展望デッキのある3階の屋内スペースにはミニギャラリーがあり、地元の写真クラブの写真展や近隣の高校の書道展など、地元の方へ展示の場を提供しています。

1階の売店では、今話題の名古屋めしを始めとしたお土産をご購入いただけます。
また、同じく1階にあるアンテナショップ「まるッと！あいち」では愛知県内の特産品を集めた商品を取り扱っています。

到着ロビー付近には就航地の観光パンフレットをご用意していますので、ぜひお立ち寄りください。

展望デッキに来る方はどのような方が多いのでしょうか。

飛行機を見送る家族・飛行機を撮影する方・空港周辺の幼稚園や小学校から来るお子様・三菱で働いている外国人の方など･･･
老若男女、幅広くお越しいただいています。
展望デッキは人工木材とウッドを使用した段差の少ない床になっているため、お子様や車いすの方にも安心です！

2012年7月に展望デッキがリニューアルしていますが、どのような背景があったのでしょうか？

中部国際空港が開港する2005年頃に、展望デッキにあったお子様用遊具が廃止となり、その後展望デッキ自体も閉鎖となりました。
それからしばらく名古屋空港には展望デッキが無かったのですが、お客様からまた展望デッキを設けてほしいというご要望を多く頂き、2012年7月に展望デッキをリニューアルオープンいたしました。

なお、同じ頃、2004年に「名古屋空港航空宇宙館」も閉鎖されていますが、こちらに展示されていた飛行機の模型は今、名古屋空港の近くにある「あいち航空ミュージアム」で見ることができます。

「あいち航空ミュージアム」、そしてミュージアムに隣接している「エアポートウォーク名古屋」にもそれぞれ展望デッキがあり、「あいち航空ミュージアム」は滑走路にとても近いので目の前で飛行機が離着陸するなど名古屋空港の展望デッキから見える景色とはまた違っていますので、名古屋空港にお越しの際には各展望デッキを見比べるのもおすすめです。

今後、県営名古屋空港の展望デッキはどのような場所を目指していくのでしょうか。