屋上遊園地が無くなっていった平成の時代を経て、屋上には今何が?
「平成の屋上」最終回は、大阪の屋上に迫ります。
この記事は フリーペーパー『屋上とそら』Vol.38に掲載された「369daysのROOF TOPIC 第4回」の完全版です。
2014年に開業した大阪市阿倍野区の「あべのハルカス」は、現在日本で最も高いビル。16階でエレベーター(飛行場の滑走路から飛び立つような演出付き!)に乗ると辿り着く、58~60階に広がる展望台「ハルカス300」では、名前の通り地上約300mから関西の景色を見渡すことができます。しかも・・・屋上にも出られちゃう!つまり現在日本で最も高い、誰でも入れる屋上はここ!
ハルカス300の屋上には、2つのアトラクションがあります。1つめは「エッジ・ザ・ハルカス」。地上約300mで、幅約60cm、長さ20mのデッキの上を命綱一本で渡り切るアトラクションです。・・・と公式サイトにありましたが、実際はただ渡り切るだけではありません。空中に身を乗り出したり、ビルの真下を覗いたり。地上では絶対にできない絶叫体験ができます!体験料金を見て更に絶叫。記念写真付きでたったの1000円・・・ほんまに!?
2つめは「ヘリポートツアー」。分かりやすい景色の解説とともに、屋上のヘリポートからの360度の絶景を目に焼き付けよう!ビルオープン直後にはジャニーズWESTのデビューイベントがこのヘリポートで行われたそうで、ツアー参加者には若い女性も多数。
屋内部分も見所いっぱい。59階のお手洗いからの景色や、60階で無料開催されている眺望案内もおすすめです。雨の日は展望台が雲に覆われることもあるため、「この白いカーテン開けてもらっていいですか?」と勘違いするお客さんもいるそうですが(笑)、レイニーアート等、雨の日限定イベントを開催中。いつ来ても楽しい!
あべのハルカスの場所に以前あった近鉄百貨店阿倍野本店には、2008年まで屋上遊園地がありました。ハルカス300のスタッフの中にも、遊んだ思い出のある方々がいます。屋上遊園地のワクワク感はハルカス300で今も健在・・・いや、進化していました。今後も「眺望+α」を常に意識し、地上約300mの場所で非日常を味わえるようなイベントを検討していきたいとのこと。令和の屋上、面白いことになっちゃいそうですよ!
エッジ・ザ・ハルカスは記念写真付き。インストラクターに「もっと仰け反って大丈夫」と言われましたが、実際に立つと怖くてあまり仰け反れなかったです・・・挑戦者求む!
ハルカス300から見える景色は様々で、 光の屈折などの条件がそろうと見える「逆さ通天閣」や、至近距離を飛ぶヘリやセスナ機が見えることも。 長年勤務していても飽きないそうです!
ハルカス300へインタビュー
- エッジ・ザ・ハルカス、ヘリポートツアー、それぞれどのような客層が多いのでしょうか。
- 午前中は遠方からきて下さるファミリー層、シニア層が多く、夜は海外の方が多いです。ヘリポートはジャニーズWESTのデビューイベントが行われたこともあり、ジャニーズのファンの聖地として若い女性にも人気となっています。リピーターの方やお一人で参加される方も多いですね。
- どのような想いでエッジ・ザ・ハルカスを運営されているのでしょうか。
- 展望台のハルカス300からの眺望だけではなく、「眺望+α」を提供したいと考えており、このアトラクションを通して地上約300mからの「眺望+絶叫」を体験して頂きたいという想いで運営しております。
- どのような想いでヘリポートツアーを運営されているのでしょうか。
- 普段は使うことがない場所をあえて開放し、360度開放感あふれる場所から眺望をお楽しみ頂ける空間提供をしております。ツアーでは、60階の天空回廊からは見えにくい景色なども分かりやすいガイド付きでご案内しております。
- ハルカス300にまつわる、これまでにあった面白いエピソードや感動したエピソードがあれば教えてください!
- あべのべあ(マスコットキャラクター)を通して楽しい時間をお客様同士で盛り上がって過ごしていただけたことが印象的でした。
また雨の日に展望台全体が雲に覆われて真っ白で何も見えなくなってしまう時があるのですが、あるお客様は状況が把握出来ず、インフォメーションに来て「すみません。この白いカーテンあけてもらっていいですか?」と言いに来られた事がありますね。 - ハルカス300の屋内部分で、ぜひ見てほしい部分はどこでしょうか?
- 59階のお手洗いからの景色ですね。またスタッフによる無料の眺望案内も他の施設ではほとんど行っていないと思いますので、ぜひ体験していただきたいです。
- ハルカス300から見える景色で、ぜひ見てほしい景色があれば教えてください!
- ヘリポートから見る夕焼け、雨上がりの虹、逆さ通天閣、ヘリポートやエッジ・ザ・ハルカスからの解放感のある景色、58階の西側からみる夕日、澄み渡った日のヘリポートからの景色、雨の日の目線より下に見える雲の動き、タイミングが合えば見えるハルカスの至近距離を飛ぶヘリやセスナ機、東側から見る満月などなど…
- ハルカス300の今後の計画について、教えていただけますでしょうか。
- 前述のとおり、「眺望+α」を常に意識し、地上約300mの場所で非日常体験を行っていただけるようなイベントを今後も検討していきたいと考えております。
- この地に以前あった建物(近鉄百貨店)には、2008年まで屋上遊園地があったかと思います。その屋上遊園地にまつわる思い出のある方がいらっしゃったら、思い出を教えてください!
- 子供の頃、祖父母に連れられ屋上遊園地にいきました。大きい遊園地ではなかったですが、色々な乗り物や動く動物の乗り物に乗って、はしゃいだ記憶があります。そこで、金魚を買ってもらい、祖父母の家の庭の池で育ててとても大きく育ちました。
幼児のころカートコース(車のレースみたいな乗り物)をやった後に館内に入ってすぐ右側の英國屋の食券でかうソフトクリームを食べていました。 - 屋上にまつわる思い出があれば教えてください!
- 小学校の出入り禁止の屋上でお弁当を食べていたことでしょうか。巡回の先生に見つからないかハラハラして、スリルのある休憩でした。
- これからハルカス300に行ってみたいと思っている、「屋上とそら」読者に向けて、メッセージをお願いいたします!
- ハルカス300ではスタッフがお客様の思い出のお手伝いをいたします。ハルカス300からの眺望は時間帯や条件によって様々で、長年勤務していても飽きません!さらにヘリポートやエッジ・ザ・ハルカスでは「+α」の体験ができますので、ぜひお楽しみください。
平成大阪屋上ヒストリー
- 1989年10月
- 大阪市立科学館開業 屋上で天体観測等のイベントを開催
- 1993年3月
- 梅田スカイビル開業 屋上に空中庭園
- 1994年9月
- 関西国際空港開港 遊具もあるスカイデッキが人気
- 1997年7月
- フェスティバルゲート開業。屋上も走るコースターがあったが2007年に営業終了
- 1998年11月
- HEP FIVE開業 屋上に真っ赤な観覧車
- 2008年10月
- 近鉄百貨店阿倍野本店屋上遊園地閉園
- 2011年5月
- 大阪ステーションシティ開業。屋上に農園
- 2014年3月
- あべのハルカス開業
文:mikko(369days) 写真:milford(369days)
SpecialThanks:近鉄不動産株式会社