369daysのROOF TOPIC
第6回
横浜で屋上遊園地を運営する
「株式会社ナコス」を特集！
（後編）

この記事は フリーペーパー『屋上とそら』Vol.40に掲載された「369daysのROOF TOPIC 第6回」の完全版です。

すっかり夏ですね！屋上遊園地で一足先に感じるあたたかい空気･･･その正体が少しだけ分かりました。

かつて首都圏で複数の屋上遊園地を運営していた株式会社ナコス。2019年6月に、私mikkoも以前働いていた東急百貨店 吉祥寺店の屋上遊園地『ちびっこランド吉祥寺店』（以下、吉祥寺店）が閉園し、現在運営しているのは『プレイランド横浜高島屋店』と『わんぱくランド港南台高島屋店』の2か所のみとなりました。

日々、屋上に立っている店長はどのような景色を見ているのでしょうか？

前号に続き『プレイランド横浜高島屋店』（以下、横浜店）店長の長山さんにインタビューしました。

長山さんが横浜店のある屋上で一番好きな場所は、片隅にあるお稲荷さん。毎月1日に、高島屋の方などが来てお供え物をしています。そのお供え物にいたずらする人がいるので見張ることも仕事のうちとのこと。屋上にいる神様・仏様は場所によって違いがあり、横浜店はお稲荷さんですが、吉祥寺店は観音で、仏像が祀ってあります。違いがあったとは･･･屋上遊園地を訪れたら、遊具だけでなく、神様・仏様も要チェック！

屋上遊園地を隅々まで知り尽くした長山さんは、子供の頃にも家族との買い物の合間に屋上遊園地のゲームで遊んだ思い出があるそうです。私もその思い出が忘れられなくて、屋上遊園地で働いていたのでした。

今はゲームセンターや他の娯楽も増え、子供達のパラダイスは屋上遊園地だけではなくなりました。年々減っている屋上遊園地。残念ながら、株式会社ナコスの運営する『わんぱくランド港南台高島屋店』も高島屋の閉店に伴い、2020年8月の閉園が決まってしまいました。

株式会社ナコス代表取締役社長の松井さんは、今後の目標として、できる限り屋上遊園地の運営事業を続けていきたいと話します。

店長の長山さんからもきっと同じ回答が出てくるだろう･･･と思っていたのですが、長山さんは「来てくれる子供が怪我をしない安心・安全な場所にしていくことが一番の運営目標！」と笑いました。

『プレイランド横浜高島屋店』。ここは神様と長山さんに見守られている、あたたかい場所。

高層ビルに囲まれた横浜店に今日も立つ長山さんの視線の先には、あの頃と変わらない、子供達の幸せいっぱいな笑顔がありました。